地元の活動家によると、マレーシア政府による不法移民取り締まりの一環として、サバ州沿岸の海上生活者コミュニティの500人以上が今週、自宅から立ち退きを強いられた。
バジャウ・ラウト族は、ほとんどが無国籍の海上遊牧民のコミュニティで、ボルネオ島北東部のサバ州センポルナ地区からフィリピンやインドネシアにかけて、沖合の木造ハウスボートや高床式の小屋で暮らしている。
身分証明書を持たずに生まれたバジャウ族のほとんどは、教育、金融、医療サービスなどの基本的な施設を利用できない。
バジャウ族は、無国籍住民と不法移民を区別しないマレーシア入国管理局によって強制送還または拘留される恐れを抱えて暮らす海上生活者コミュニティである。
サバ州には推定100万人の不法移民と無国籍者が暮らしているとみられ、マレーシアの人口の3分の1を占めている。
マレーシアは近年、不法移民に対する取り締まりを強化しており、2020年5月以降、約4万5000人の不法移民を拘束していると、今年3月にヒューマン・ライツ・ウォッチが発表した。
サバ州を拠点とする社会擁護団体ボルネオ・コムラッドの創設者ムクミン・ナンタン氏は、2024年6月11日火曜日以降、取り締まり当局がセンポルナの7つの島にあるバジャウ・ラウト族の家屋を焼き払ったり取り壊したりしていると述べた。
マレーシア当局者は身元不明だが、取り締まりタスクフォースの一員であると考えられているとムクミン氏は述べ、一部のコミュニティは州政府が管理する自然保護団体サバ・パークスからこの作戦について事前に通知を受けていたと付け加えた。
「家屋のいくつかは大型船で倒壊し、いくつかは焼き払われた」と同氏はロイター通信に電話で語った。
ボルネオ・コムラッドがソーシャルメディアに投稿した動画には、沖合で燃えるさまざまな建物が映っている。また別の動画では、制服姿の男たちが浜辺の木造小屋を大きな棒で叩き壊し、その後燃やしている様子が映っている。
サバ州公園局と、警察と入国管理局を監督するマレーシア内務省は、コメント要請に応じなかった。
マレーシアは、ボルネオ島北東部とフィリピン南部の海域を何世紀にもわたってさまよってきたバジャウ・ラウト族の人口に関する公式統計を保管していない。
「バジャウ・ラウト族は、正式な国境が設けられる前からこの地域に住んでいた。彼らに対して取られている措置は、ただただ残酷だ」とムクミン氏は語った。
支援団体センポルナのアフマド・カミル氏は、一部のコミュニティは立ち退き前に通知を受けたが、通知を理解できなかったか、従わなかったことを確認した。
「バジャウ・ラウト族はマレーシアの現地の法律を理解していない。それに、他にどこに行けばいいというのか」と同氏は語った。
reuters.com/world/asia-pacific/malaysia-defends-eviction-sea-nomads-citing-security-concerns-2024-06-08/